洗濯物の生乾き臭って、非常に厄介ですよね・・。せっかく綺麗に洗えたと思った洗濯物から、「あのニオイ」が流れてくると『はぁ〜・・』と落胆してしまう経験、皆さんもしたことがあると思います。朝起きた時には顔を拭こうとフェイスタオルを顔に近づけた時に、『ぷぅ〜ん』と漂ってきたときの絶望感は、文字では表せないほどのものです。
一体あれって、何が原因なのでしょう?一般的に考えられるのは、以下のようなものだと思います。
- 洗濯機
- 洗剤・柔軟剤
- 干し方
実は生乾き臭の原因って、『これら全て』なんです。どれか1つが悪いということは滅多になく、大抵の場合で全ての要因が複雑に絡み合っているケースがほとんど。だからこそ、生乾き臭の改善は難しいとされていて、ほとんどの方が「仕方ないよね・・」と諦めてしまうのです。
しかし、逆に言えば以上3つの原因をしっかりケアしてあげれば、生乾き臭は劇的に改善してくれます。しかも、特に難しいことをしなければいけないわけではなく、『ちょっとした工夫』でOK。それほど身構えなくて大丈夫です。
この記事で3つの原因について、詳しい対処法をお伝えしているので、洗濯物の生乾き臭で困っている方は必見ですよ!

洗濯物の生乾き臭は仕方ない・・、なんて言わせない!

先述の通り、洗濯物の生乾き臭は多くの方にとって「仕方ない・・」と諦めてしまうほどのものだと思いますが、全然そんなことはないのです。正しい知識を持って一工夫を加えてあげれば、全然違ってきてくれますから、諦めるのはまだ早い!
そこでまずは、洗濯物の生乾きに関する正しい知識を皆さんに提供していきたいと思います。手っ取り早くやり方だけ知りたいという方は、次の章まで飛んでいただいて構いませんよ!
そもそも、ニオイの原因ってなんなの?
まず皆さんが知りたいのが、『そもそも、あの生乾きのニオイってどこからきてるの?』ってことだと思うんですよね。
だって、汗や皮脂汚れは洗濯の過程でしっかりと洗い流していますから、冷静になって考えると、『綺麗になったのにニオイが出るのはおかしい』と感じるのも無理はありません。
生乾きに限らずニオイの原因は「菌」にある
答えを知っている方も多いと思いますが、あの生乾き臭の嫌なニオイの原因は「菌」にあります。というか、日常生活で感じるあらゆる嫌なニオイの大半は、菌によるものなんです。
例えば夏場の汗臭さなんかも、汗そのもののニオイではなく『汗をエサにして増えた菌によるニオイ』であり、これはミドル脂臭や加齢臭など、あらゆる体臭でも同じことが言えます。
そして、近年の研究成果により、洗濯物の生乾き臭は「モラクセラ菌」という菌であることが判明したのですが、この菌の厄介な点は「非常にしつこい」というところなんです。詳細は、NHKの生活情報お役立ち番組「ガッテン!」からの、以下の引用文をご覧ください。
実はその菌、条件がそろうとバリアを作って、洗っても流れ落ちにくくなります。すると、乾くまでにどんどん増殖、ニオイ物質「4M3H」を産生して、いや~なニオイを放つようになっていたんです。
なんと、生乾き臭の原因である「モラクセラ菌」は、条件が揃うとバリアを作って必死に抵抗しようとするんです。だからこそ、あの生乾き臭は非常にしつこく、また厄介なものなんですね。

私は大学時代、菌など微生物を専門に研究していましたが、このモラクセラ菌以外にも「バリア」を作って生存しようとする菌は豊富に存在しています。彼らの生命力の高さはとてつもないものなので、正しい方法で撃退をしないとまるで効果が出てくれないのです。
CMで盛んに流れる「消臭スプレー」、あれは本当に効果があるものなのでしょうか?
もし本当に「消臭」ができるなら、ニオイの原因菌を撃退できていなければいけません。逆に言えば、『殺菌成分が入っていないスプレーは消臭効果がない』ということになります。
そして、ほとんどの消臭スプレーには、カテキンや銀イオンなどなど、「殺菌効果」が期待できる成分が配合されているので、本当に消臭ができると思ってもらってOKです。ただし、スプレーが衣類や布団の全てにかかってくれるわけではないので、あくまでその効果は一時的なのもまた事実。
根本的な解決をするには、やはり「洗濯」の過程で徹底的に除菌をすることが大切なので、この記事を通じて正しい知識と方法を学んでいってくださいね。
大事なのは「洗濯機・洗剤・干し方」の3つ
ということで、ここまでのお話で、「生乾き臭の原因菌(モラクセラ菌)はしつこい」からこそ、ニオイもなかなか取れないというお話をしてきました。逆に言えば、しつこいモラクセラ菌さえどうにかできれば、生乾き臭は簡単に改善できるということです。
そして、この原因菌を撃退するには、選択を行う上で必ず必要になる、
- 洗濯機
- 洗剤
- 干し方
この3つにちょっとした工夫をする必要があります。
したがって、選択におけるこの3つにこだわることで原因菌を撃退し、生乾き臭を防いでいきましょう。とはいうものの、特段難しいことやお金がかかることをする必要はなく、あえて言うならば「ちょっとした一手間」を加えてあげるだけのイメージでOKです。
次の章で丁寧に詳しく解説しているので、早速チェックしていきましょう。

どんなことにも原因があって、結果があります。生乾き臭の原因はモラクセラ菌ということで、こいつを効果的に対策できればニオイは改善できるわけです。ニオイの正体がわかれば、少しだけ気が楽になりますよね。
生乾き臭はこれで解決!原因菌の予防と脱臭方法を徹底的に解説
さて、ではここからは、生乾き臭の原因菌の予防と脱臭方法について、徹底的に解説をしていきます。先述の通り、
- 洗濯機
- 洗剤
- 干し方
この3つにこだわることがとても重要であり、また効率的でもあるので、それぞれ分けてお話を進めていきます。どれも非常に重要なものなので、洗濯機から順番にチェックしていきましょう。
洗濯機編
まずは洗濯機編。洗濯機と言えば、文字通り選択を全自動で行ってくれる文明の利器であり、この家電の登場によって私たちの生活は非常に便利になりました。文明人を文明人たらしめる要素の1つですよね。
洗濯機を通じて生乾き臭を対策するには、以下の2つの点が重要です。
- 定期的なお手入れ
- お風呂のお湯は使わない
順番に確認していきましょう。
最重要なのは「定期的なお手入れ」
まずは洗濯機のお手入れから言及していきますが、洗濯機は毎日使用するものであり、また汚れを取るものでもあるので、当然継続的に使用すればするほど汚れは溜まっていきます。そしてこの汚れや残った水分から菌が繁殖し、生乾き臭という形で表に出てくるわけです。
だからこそ、「定期的なお手入れ」が必要なわけですが、あくまで筆者の主観ですが、洗濯機をしっかり定期的にお手入れしている方は非常に少ないように感じます。理想的なお手入れ頻度は1ヶ月に1度。最低でも3ヶ月に1度はお手入れをして欲しいところです。
一方で、『洗濯機の手入れ・掃除って面倒くさいじゃん・・』というお気持ちもとても分かります。しかし、今はたくさんの便利な商品が登場しており、皆さんがイメージするような重労働ではなく、「洗剤を入れて回して終わり」って感じなので、普段の洗濯のついでに行うことができるほどのお手軽さなんですよ。
ちなみに、このサイトの中に筆者が「洗濯機のお手入れ」にフォーカスして解説した記事があるのですが、その記事の中で、

こちらのアリエールの縦型洗濯機用洗剤(300円程度)を使用したお手入れ方法を紹介しています。3年お手入れをしていない洗濯機で、

このくらいの量の汚れが取れました。スッキリしますよ!詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
お風呂の残り湯は使わない方が無難だ
洗濯機に関しては、とにかく定期的なお手入れが大事になるのですが、「残り湯の使用」に関しても言及しておきます。結論から言えば、風呂の残り湯を洗濯に使うのは避けた方が無難です。
確かに、お風呂の残り湯を洗濯に再利用すれば、大幅な水の節約になります。実際、筆者の実家では、じーちゃんとばーちゃんが「もったいないから」という理由で、風呂の水を洗濯機に流し込んで毎日洗濯をしていますしね。
ですが、やはりお風呂の水を使うのは衛生的ではありません。当然、お風呂の水には人間の垢や汗といった「菌のエサ」がたっぷりと含まれていますし、一晩の間で2倍・4倍・8倍・・と、指数関数的に菌が増加しています。敢えて表現するならば、『残ったお風呂の水で菌を培養している』ようなものであり、それを使って洗濯をしているようなものなんです。
そして、その水が洗濯機に残ったままになれば、またさらに菌は繁殖していきます。これで洗濯機が「培養器」に早変わり・・なんて、笑えない冗談ですよね。ですが、これは冗談ではなくホントの話です。
したがって、『生乾き臭より節約の方が大事!』という方はお風呂の水を再利用すべきですが、そうでない方にとっては再利用はおすすめしません。フレッシュで新鮮な水道水を使用しましょう。

洗濯機で注意すべき点は以上です。とにかく「定期的なお手入れ」を念頭においてもらえれば問題ありません。洗濯機を「培養器」に変えないためにも、面倒がらずにこまめなお掃除をしてあげてくださいね。
洗剤編
続いて紹介していくのが洗剤編です。一昔前までは「香り」にこだわるくらいが衣類用洗剤でしたが、今や各メーカーの競争も相まって、様々な付加価値をつけた洗剤が非常に安く販売されています。
したがって、選択肢が増えたと言えば聞こえがいいですが、『色々あって選びにくい』というのもまた、我々消費者のホンネではないでしょうか?というわけでこの洗剤編では、
『生乾き臭を防ぐ上での洗剤の選び方』
という観点でお話を進めていきますので、参考にしてみてください。
「酸素系漂白剤」が一番おすすめ
生乾き臭を防ぐという意味でおすすめなのは、ズバリ「酸素系漂白剤」になります。そもそも、日常生活で使用する漂白剤は「塩素系/酸素系」の2つがあるわけですが、後述の通り塩素系は扱いにくくおすすめできません。
では、どうして酸素系の漂白剤がおすすめなのかについてですが、
- 漂白効果
- 消臭効果
- 殺菌効果
洗濯に必要な以上3つの効果を「程よいバランス」で実現してくれるからなんですね。特に生乾きで重要な「消臭・殺菌」を兼ね備えているのが大事なポイント。
塩素系漂白剤も確かにこれらの効果を持っていますが、漂白作用が強すぎて使用用途が酸素系よりも狭くなってしまうのです。
したがって、『これは使えるかな?』と毎回疑心暗鬼になってしまい、結局使わないということになりがち。そういう意味で言えば、酸素系漂白剤の『水洗いできるものには基本使える』という汎用性の高さは、日用品としては極めて優秀だと言えるでしょう。
そして「どんな商品がいいのか」についてですが、基本的にはなんでも良いです。各社洗剤・漂白剤は色々なものを出しているので、Amazonや楽天などのネットショッピング通販で「酸素系漂白剤」とでも入力すれば、人気の商品がズラーっと出てきてくれますので、その中から良さげなものをチョイスしましょう。
個人的な酸素系漂白剤のおすすめに関しては、Amazonなどで販売されている激安の商品です。「酸素系漂白剤」という超シンプルなネーミングで、3Kgで1,660円という価格破壊でしかない商品は、圧倒的コスパで星4.5を獲得しています。各社成分的にはほとんど似たり寄ったりなので、抵抗がなければこのような爆安の商品を利用するのもアリだと思います。
一方で、粉末タイプは注意すべき点も存在しているので、詳細は以下をチェックしておきましょう。
酸素系漂白剤の注意点は?
酸素系漂白剤の良い点を取り上げてきましたが、使用に際し注意点も存在しています。それを以下にまとめてみました。
- 粉末タイプは天然系繊維はNG
- 毛や絹など天然系の繊維には粉末タイプは使えない。液体タイプならOK。
- 金属には使えない
- 粉末・液体共に金属は使用不可。金属製のボタンやファスナーは気をつけて。
この2点が盲点になりがちなので、しっかりと覚えておきましょう。先ほどは粉末タイプの激安酸素系漂白剤をおすすめしましたが、人によっては液体タイプの方がいいかもしれません。液体は液体で効果がマイルドなので、どちらもメリット・デメリットあるってイメージですね。
粉末と液体のおすすめの酸素系漂白剤を以下にまとめておきますので、自分の好みの方をチェックしてみてください。
【粉末】
【液体】

先述の通り、塩素系漂白剤は使い勝手が悪いので、酸素系のものを選ぶようにしましょう。いつもの衣類用洗剤にカップ半分〜1杯程度混ぜ込むだけで、大きな効果を発揮してくれますので、ぜひお試しあれ!
重曹・クエン酸を併用すれば消臭力がアップ!
ということで、酸素系漂白剤の効果をご紹介してきましたが、
- 服が痛まないかな・・
- 金属に使えないのはちょっと・・
- 環境にあまり良くないって聞いたけど・・
このような不安な点を感じている方もいらっしゃると思います。そんな方におすすめなのが、家事の万能アイテムとも言える「重曹」です。
重曹とは別名「炭酸水素ナトリウム」のことで、非常に安全な物質として知られています。どれくらい安全なのかは『ベーキングパウダーの代替品として使われる』程度には安全で、要するに食べても大丈夫ということですから漂白剤とは比較にならないほど安全です。
では、重曹は本当に生乾きの臭い対策に有効なのかどうかですが、先述の通り、漂白剤には以下の3つの効果がありましたね。
- 漂白効果
- 消臭効果
- 殺菌効果
重曹はこのうち、実は「消臭効果」しか持ち合わせておらず、しかもその効果は漂白剤よりもマイルド。つまり、重曹だけで生乾き臭の対策をすることは、残念ながら不可能なんです・・。
しかし、落胆するのはまだ早い。確かに重曹は単独では大きな効果を発揮できないのですが、漂白剤と併用することで「漂白剤の効果をアップさせる」効果が期待できるんです!
やり方は簡単で、粉末・液体の酸素系漂白剤と重曹を1:1で混ぜ込んで、あとはいつもと同じように洗剤と一緒に洗濯機を回すだけ。これで酸素系漂白剤の効果を補助するように重曹が働いてくれますし、重曹本来の消臭効果も期待できるので、生乾き臭の大幅な改善が見込めます。
しかも、漂白剤の使用量も減らすことができるので、環境にも優しくお財布にも優しい。まさに一挙両得とも言えるのが「漂白剤&重曹」なので、漂白剤と一緒に重曹も用意して洗濯に臨みましょう!

クエン酸の使用も生乾き臭対策にはなりますが、塩素系漂白剤と使用すると有毒ガスが発生し重大な事故につながる危険性があるため、筆者は使用を控えています。もちろん気をつけていれば問題ありませんが、避けれるリスクは避けた方が良いですからね。とにかく、クエン酸(酸性系洗剤)と塩素系は絶対に併用しないようにしてください。その点重曹は安全ですね!
干し方編
洗剤に続いて、お次は洗濯物の「干し方」という観点から生乾き臭対策を深掘りしていこうと思います。キーワードになるのは「速乾」で、生乾き臭の原因菌は確かに厄介な存在ではありますが、増殖させる時間を与えなければ嫌なニオイはグッと抑えられるんです。菌がニオイを作り出しているので、当然と言えば当然ですよね。
というわけで、「速乾が実現できる干し方」の要点としては、以下のような感じです。
- 「アーチ干し」が理想の干し方
- 速乾には「風」が大事
- 乾燥機の使用も有効
それぞれの項目について、順番に確認していきましょう。
速乾にこだわるべく「アーチ干し」をマスターしよう
まずは干し方ですが、生乾き臭を防ぐには「アーチ干し」の習得が急務です。梅雨の時期のテレビ番組でも毎年取り上げられていますが、やり方はとても簡単。

洗濯物をこのようにアーチ状になるように干していくだけ。「長いものを外側に、短いものを内側に」、それぞれ並べていけばOKです。
『こんな簡単な方法で本当に早く乾くの?』と思われるかもしれませんが、日用品メーカーのLIONが以下の動画でアーチ干しの効果を証明してくれています。
この動画内では、
- アーチ干し
- 逆アーチ干し
- バラバラ
この3つの干し方について検証しており、早い方から順番に『アーチ干し・バラバラ・逆アーチ干し』の順番になるという結果に落ち着きました。したがって、これを機にアーチ干しをマスターしちゃってください!
また、このアーチ干しに加え、速乾を実現できる衣類の干し方には以下のようなものがあります。
- バスタオル
- 蛇腹になるように干すか、ハンガーで左右の長さを揃えずに干す。どちらも通気性をあげる。
- フード付き衣類
- 上下逆さまに干す。フード部分が空気に触れやすくなり、通気性をあげる。
この他にも色々なスゴ技がたくさんあるのですが、筆者の経験から言うと、何個も覚えきれずに『もう面倒だからいいや』と、結局全部投げ出してしまうんですよね・・(笑)なので、とりあえず以上3つの干し方だけマスターしてもらえればOK。やってみれば分かりますが全然違うので、試してみてくださいね!
アーチ干し、蛇腹干し、そして逆さ干し。この3つの干し方をマスターすれば、今までよりも早く洗濯物を乾かすことができるようになります。しかし、速乾には「ハンガー」も大きく関わってくるということ、ご存知でした?
ではどのようなハンガーが良いのかと言えば、「大きいもの」が理想のハンガーです。というのも、ハンガーが小さすぎると干している時に「ぺしゃんこ」になってしまい、衣類内部に空洞が作られず十分な通気性が確保されないからです。
例えば、100円ショップのセリアさんでは、このようなハンガーが売られています。

パッと見ただけで分かりますが、非常に大きくて太いハンガーとなっていますよね。しかも、速乾の工夫はこれだけじゃなく、

肩掛け部分が伸縮自在で、さらに穴が空いていることによって、高い通気性が実現されているんです!まさに「至れり尽くせり」のハンガーとなっているので、これが100円で手に入るなんてスゴすぎるぜ。乾きにくい素材でできた衣類や、厚手の衣類には非常に高い効果を発揮してくれるので、ぜひ試してみてください!
「風」を当てて少しでも早く乾かすことが大事
速乾のためには、干し方だけでなく「風」も重要な要素となってきます。通気性をアップさせるための干し方を実現した上で、さらに風まで当ててあげれば格段に乾く速度はアップしますからね。
といっても、外干しの際に人工的に風を作り出すのは無理なので、部屋干し限定のテクニックにはなりますが、扇風機やサーキュレーターを使って風を当ててあげることを意識しましょう。
『サーキュレーターって何?扇風機じゃダメなの?』という質問が飛んできそうですが、サーキュレーターとは、以下の画像のようなものですね。
イメージとしては「小型扇風機」のようなものですが、洗濯物を乾かすという点からは扇風機より機能的です。下から風を突き上げるように送風することで、空気の循環が起きにくい「洗濯物のスキマ」まで風が入り込めますし、扇風機より首が自在に曲がるので、様々な気流を生み出すことで、これも通気性アップにつながりますから。
また、単純にサイズが小さいので、取り扱いがしやすいというメリットもあります。扇風機はどこの家庭でも冬になると押入れの中にしまいますが、これなら年中出していても邪魔にならないですからね。
2,000円ちょっとで購入することができるものなので、一家に一台あると部屋干しの質が格段に上がりますよ。
乾燥機を上手に使えば消臭力は格段に上がる
速乾という意味では、乾燥機の使用も選択肢に入ってきます。といっても、乾燥機には色々とありますが、以下のようなものを家庭で使うと効果的です。
- ドラム式洗濯機の乾燥機能
- 非常に優秀だが、衣類を痛める。最低温度・最小時間で乾燥にかけてから干すと、時間の節約と衣類の保護が実現される。
- 除湿機能を持った調湿機
- 密室で使用すれば大幅な時短になる。速乾の頼れる味方。
- エアコンの除湿機能
- エアコンの電気代を許容できるならアリ。
この中でも最も速乾に貢献できるのが、ドラム式洗濯機の乾燥機能ではないでしょうか?最近のドラム式は本当に優秀で、コインランドリーと同等の水準の洗濯・乾燥ができてしまいます。筆者の周りにもドラム式のユーザーはたくさんいて、『乾燥機能が優秀すぎてもう外干ししなくなった』なんてことを言う人間もいるくらいです。
しかし、ドラム式の大きな盲点が、衣類を痛めやすいという点になります。そもそもドラム式は、
『外干しできるなら外干しのほうがいいけど、部屋干ししなきゃいけないなら乾燥機能使ってみたら?』
ってものであり、毎日使用するものではないのです。衣類も毎日ドラム式のような高温乾燥をされるように作られてはいないので、衣類が痛むのも当然ですよね。
したがって、筆者は『最低温度・最小時間で乾燥にかけてから干す』ということを推奨しています。こうすることで、ドラム式と外干し・部屋干しのいいとこ取り、つまり速乾と衣類の保護が実現されますからね。
また、除湿機、あるいはエアコンで除湿をしながら風を当てて乾かす方法も、十分速乾に貢献してくれます。ドラム式洗濯機を購入するよりも遥かにお手軽なので、こちらの方法もぜひ試してみてください!

アーチ干しなど干し方も重要ですが、風や湿度調節は干し方以上の効果を発揮してくれます。両者を併用すれば乾く速度は段違いなので、実践あるのみ、ですよ!
その他編
さて、ここまでのお話で、生乾き臭の対策として、
- 洗濯機
- 洗剤
- 干し方
この3つについて解説してきました。どれもニオイに対する有効な手段となってくれるので、これを機会に頭に入れておきましょう!
最後に、ここまでで扱いきれなかったものの、「知っておくと役にたつ」知識を皆さんにお伝えしていきます。
「アイロンがけ」は消臭効果にもなる
まずは「アイロンがけ」からですが、アイロンと言えば衣類のシワを改善する仕立て方法として一般的ですよね。「高温スチーム」で衣類のシワを綺麗に伸ばすことで綺麗な見た目に早変わりする便利なものですが、これが消臭効果も発揮してくれること、ご存知でした?
その理由ですが、単純に「菌が熱により撃退されるから」というものになります。生乾き臭の原因菌はモラクセラ菌ですが、こいつは・・、というより、菌類は一般的に高温で簡単に死滅してくれます(人間もアイロン並みの高温に晒されたら同じ結果になるので、菌というより生物全般ですね)。
したがって、高温になったアイロンで綺麗にシワを伸ばすことで、同時に殺菌効果まで発揮してくれるということになります。まさに「一石二鳥」ですよね!
とはいえ、毎日全ての衣類にアイロンをかけることは現実的ではありませんので、あくまで補助的な方法として覚えておきましょう。『この服ニオイがなかなか取れないんだよね』というものにピンポイントでアイロンがけを行うなどの対策が現実的です。
「煮沸消毒」は除菌方法の定番
アイロンによる高温滅菌とよく似た生乾き臭対策が、「煮沸消毒」になります。これはキッチン用具でよくやるやつで、鍋に水を入れて沸騰させたら、そこに消毒をしたいものを入れて消毒を行う方法です。
これを衣類でやるってことですが、当然高温NGの衣類は煮沸消毒もNGなので、注意しましょう。天然素材系は基本熱に強いですが、
- ナイロン
- ポリエステル
- アクリル
- ポリウレタン
このような化学合成素材は熱に弱いので、やらない方が無難です。化学系繊維は基本的に様々なものに耐性がありますが、唯一熱にだけは非常に弱いのが弱点ですね。
また、ドラム式洗濯機の部分でお話ししたように、基本的に熱は衣類にとってダメージ要因ですから、見えない部分で傷みが生じます。加えて、染料によっては熱で分解され色落ちする・・、なんてこともありますから、お気に入りの衣類や高価な衣類に関しては煮沸消毒は行わないことをおすすめします。
お気に入りの衣類がどうしてもニオイが気になってしまう場合は、素直にクリーニングに出すのが無難ですよ!
まとめ
というわけで、この記事では生乾き臭の対策方法について、
- 洗濯機
- 洗剤
- 干し方
この3つの項目に分けて解説してきましたが、いかがでしたか?結局のところ、生乾き臭は原因菌(モラクセラ菌)によるものが大半なので、私たちが取れる戦略としては、
- 洗濯機や洗剤に注意して洗濯段階で菌が付かないようにする
- 干し方に注意して菌が繁殖する時間を与えないようにする
- 熱による消毒を行う
基本的にはこの3つ。一般的には干し方や熱による消毒、要するに「抗菌」という要素ばかりが取り上げられますが、そもそも洗濯段階で雑菌・カビ菌が付かないように衛生的にすることもまた重要なので、洗濯機や洗剤、柔軟剤にこだわることも同様に重要です。したがって、この3つの要素をバランスよく取り入れて、生乾き臭に対策してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。何かご意見や感想などあれば、遠慮なくコメント欄を利用してください。
この記事をご覧いただき、ありがとうございます。執筆を担当する、家事ライターのmamoruです。洗濯物の生乾き臭は、一般には「改善が難しい」とされていますが、ちょっとした工夫と正しい知識を身につけるだけで、実は容易に改善可能なものなんです。この記事内で1から解説しているので、最後までお付き合いいただければと思います。